『抽象度を上げる』とは?得られるメリットや身につける方法は?

こんにちは、ジロウです!

今回は、ビジネス界隈でよく耳にする『抽象度を上げる』という言葉について、分かりやすく解釈(解説ではなく…)してみたいと思います。

僕がこの言葉を初めて聞いたのは2016年頃、ブログのマネタイズに関する勉強会でのことです。

話の前後は忘れましたが、「物ごとの本質を見極めるためには抽象度を上げて云々」という内容だったように思います。

それ以降、まるで流行語みたいに折に触れて耳にするようになったので、詳しく調べてみることにしたんです。

目次

そもそも「抽象度」とは?

さて、まず、「抽象度(ちゅうしょうど)」という言葉は、分析哲学という学問で使われる考え方を指します。

元は英語で「Levels of Abstraction」とされ、認知科学者の苫米地英人(とまべち ひでと)博士がアメリカから持ち込んだ概念です。

この英語を直訳すると「抽象性のレベル(度合い)」となりますが、苫米地博士によって「抽象度」と略されて日本国内に広められました。

ちょっと分かりにくいですが、「物ごとを見る(考える)ときの視点の高さ」という意味に解釈すれば良いと思います。

要するに、「抽象度を上げる」「抽象度を高くする」とは、広い範囲を俯瞰して見る(イメージする)ということだと、僕は理解しています。

ほら、衛星写真を想像してみてください。

視点が高くなればなるほど、景色はぼんやりして抽象的になりますが、より広い範囲を捉えることができるようになりますよね?

ここで、見える「景色」を「情報量」という言葉に置き換えてみましょう。

視点が高いほど、目に映る景色はぼんやりする、すなわち視覚から得られる情報量が少なくります。

その代わり、広く全体を見渡せます。

逆に、視点が低いほど、目に映る景色はクッキリして細かい部分まで見て取れる、すなわち視覚から得られる情報量が多くなります。

その代わり、見渡せる範囲は狭くなります。

もう少し具体的な例を挙げてみましょう。

物ごとの分類やジャンルのことを「カテゴリ」って言いますが、これを階層に分けて考えてみると、抽象度というものを理解しやすいように思います。

例えば、「動物」という親カテゴリがあって、その下に「哺乳類」「鳥類」「爬虫類」という子カテゴリがあるとします。

そして「哺乳類」の下には「犬」「猫」「クジラ」という孫カテゴリがある・・・。

この場合、「動物」という広範囲なカテゴリは最も抽象度が高いと言えます。

そして、「哺乳類」「鳥類」「爬虫類」、更に「犬」「猫」「クジラ」と具体的になるにつれ、抽象度は低くなります。

その代わり、「犬」「猫」「クジラ」の個々について、より具体的に細かく観察することができます。

更に、「会社組織」を例に抽象度を考えてみましょう。

社長さんは抽象度の高い立場から、会社全体の経営状況を俯瞰して見ています。

部長や課長は、自分の部や課の運営状況を管理しています。

社員は、自分が担当する顧客との交渉に専念します。

つまり、「抽象度を上げる」ということは、視点を上げて俯瞰し、より広く見渡して、より多くのことを見通して判断を下せる状態のことなんです。

もっと言うと、「抽象度が高い人」というのは、より多くのことが見えていて、幅広い視点や立場から物ごとを考え理解できる人のことなんですね。

抽象度が高いことのメリットとは?

抽象度が高いことのメリットは、自動車会社フォード・モーターの創設者ヘンリー・フォード氏のこの言葉に集約されています。

成功の秘訣というものがあるとしたら、それは他人の立場を理解し、自分の立場と同時に他人の立場からも物事を見ることのできる能力である。

If there is any one secret of success, it lies in the ability to get the other person’s point of view and see things from that person’s angle as well as from your own.

そう、抽象度が高いことは、成功の秘訣だと言うんですね。

抽象度が高い経営思考と、抽象度が低い経営思考とを比較してみれば、そのメリットは更に際立ってきます。

抽象度が高い経営思考とは、フォード氏の言葉にあるように、より多くの人の視点や立場で物ごとを考えられることです。

利益追求や顧客満足度を追求することはもちろん、従業員とその家族、下請け会社、株主や投資家、更には地域住民との関係性や社会貢献など、幅広くバランス良く考えられることです。

片や抽象度が低い経営思考は、自分の儲けや権利、会社の売り上げや利益、株価の動きなどに囚われ、商売の存続や繁栄にばかり執着し、お世辞にも行き届いているとは言えない状態に陥ります。

どちらが成功に近づける経営思考か・・・言うまでもありませんよね。

このように、抽象度を高く持つこと、視点を高く持つことが、成功の秘訣だと言っているわけですね。

もっと言うと、抽象度を高く持つことは、人生における幸福度や豊かさ、そして良好な人間関係を築く(保つ)ための極意でもあります。

抽象度が高い思考を身につける方法は?

抽象度を高めるには、自分自身が日頃から意識するしかないと考えます。

何をするにせよ、高い視点から俯瞰するがごとく、幅広い立場から思考を巡らすことです。

それに関わる全ての人の立場になって、あらゆることを考えてみることです。

考え得る限り想像することです。連想することです。

最初は小さなことからで構わないと思います。

例えば、あなたが商品サービスを開発するとしたら、お客さんについて深く考えてみるんです。

  • それは誰のための商品サービスなのか?
  • どのような価値をもたらすものなのか?
  • それを求める人はどんな悩みや欲求を抱えているのか?
  • 何を我慢して暮らしているのか?
  • どんな理想を思い描いているのか?
  • 日頃からどんな不満や怒りを感じているのか?
  • 叶うなら自分はどう在りたいと思うのか?
  • あなたの商品サービスに何を期待しているのか?

etc…

あるいは、家族のために家を買うことになったとします。

  • 予算はいくら必要か?
  • そのお金はどうすれば工面できるだろうか?
  • 奥さんにとって、どんな立地条件が良いだろうか?
  • 子どもにとって、どんな環境が理想的だろうか?
  • 奥さんの生活動線をどう考えるべきか?
  • 子供の将来を考えてどう部屋割りするべきか?
  • ご近所さんなどの周辺環境はどうだろうか?
  • 自治体の取組姿勢はどんなだろうか?
  • 気候災害の発生状況はどうだろうか?

etc…

つまり、自分一人の利益や幸せだけを考えるのではなく、お客さんや家族、更には親族やご近所といった幅広い人間関係から考えてみることです。

メリットもデメリットも含めて、あらゆる状況を想定してみることです。

そして、思考の対象が会社組織、市町村の地方自治体、果ては国家や世界へと拡大するほど、高い視野、高い抽象度が必要になって行きます。

それこそ、「Google アース」を使ってズームアップで観ている景色から、グングン上空へズームアウトしていくイメージでしょうか・・・。

簡単に身につくことではないと思いますが、意識するだけでも大きく進歩するはずです。

あなたも抽象度の高さを追求してみてはいかがでしょうか。

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